2013年10月24日木曜日

落花生、大豆収穫、そしてまたも台風

ライヴが終わって一息ついて畑を眺めれば、大豆、落花生がそろそろ収穫の時期。そして今年はこの時期なのにオクラ、ナス、ミニトマトがまだ実をつけている。晩生のキュウリはもうおしまいだが、それでも100円の苗から美味しいキュウリが何十本か穫れ、食べきれないものはピクルスにして保存。

今年の大豆はツルボケと言って葉ばかりが大きく茂って、サヤに実が入らない(豆が膨らまない)状態。これは土の中の窒素が過多になると起こる現象とか。それでも10株くらいについた実を穫れば大きなボール一杯くらいになる。去年穫れた大豆を味噌に仕込んだものがいい感じで熟成していて、おおきな瓶イッパイ(2年分くらい)あるので、今年の大豆は枝豆として食す。それにしては食べきれない量かな。

6月25日のブログに掲載した通り、落花生の種の発芽は鈍く結局5株のみ成長。それでも今年はタヌキやハクビシンの襲撃?を受けずに無事収穫。写真が収穫の全量である。こんな量でも買えば1,000円くらいか。というか量ではなく自分の畑で穫れたことに意義があると自己満足する。有機無農薬栽培のせいか、味は抜群に美味い。

さてさて、今週末にまたも台風が近づく予報。26号は目の前の伊豆大島に甚大な被害をもたらしたが、房総半島の東側をぬけたので北からの風が吹き、我が家はなんとか塩害を含め大きな影響をまぬがれた。西側を通過すると南からの風が強く吹いて塩害を招く。
しかし海は大荒れ、今まで見た事の無い大きな波が立ち、道路までかぶるほどだった。我が家から見た海の様子、写真をクリックして大きく見て欲しい。地元の漁師さんは皆「今回の台風も同じコースだよ」と。その根拠は長い経験からくるものなのか、大きな被害が出ない事を祈るばかりである。今年は台風の発生数も多く、季節感も例年と随分違っており地球の自然のバランスに異変が起きているように感じるのは自分だけなのか。

2013年10月22日火曜日

Romantica Live 終了!

21日、月曜日、楽屋でのライヴ、盛況のうち無事終了。

リハーサル中
一夜明けて目が覚めるとまず、「夕べはなんだかよく喋ったなぁ」と長過ぎたMCに反省の気持ちを抱きながら朝を迎えた次第(苦笑)。今回のライヴはDMも出さず、インフォメーションが少なかったにもかかわらず、たくさんのお客さんに来ていただき、ひたすら感謝々々。

6月のRomantica再スタートのライヴより心がけているのは、他の人が主催するライヴに参加する時と同様、フツーに楽器運んで、演奏に集中して、フツーに楽器片付けて家まで帰ること。当たり前の事のようだが、以前は自分が主催するのだという気持ちが強過ぎて、メンバー他、いろいろな事に気を遣い過ぎてライヴが終わるとドッと疲れる感じだった。そこで意識を切り替えて、優秀なメンバーに囲まれているのだから、自分の楽曲をみんなに任せておけば自ずとサウンドするハズだと思う事で、自分の演奏にもより集中できるようになり、ライヴそのものをより楽しめるようになった。以前は長いツアーなどから帰ると一気に疲れが出て、熱を出して一日寝込んでしまうことも・・・。

ただ自分が主催したライヴは、他の人のライヴに参加してとてもいい演奏が出来た時の満足感とはまた違った充実感があって、これは何にも代え難い感覚。今後もいい意味で"気楽に"ライヴをやっていきたいところ。バンドネオンの早川くんが暫く日本を離れるのでまた編成が変わるかも知れないが、来年はツアーを含めちょくちょくライヴをやろうと思う。できれば新曲も携えて・・・。


2013年10月15日火曜日

十年に一度の・・・

十年に一度の台風とさえ言われる、大型で強い台風26号が関東へ向かっている。しかも予想進路では房総半島直撃か?

米軍のサテライト映像、米軍では台風25号として認識
南房総へ移ってから1、2度大きな台風に見舞われているが、どうも今回の台風は今までのそれとはちょっと規模も強さも一回り違う様な気がする。都内に住んでいるときはマンションだったり、一軒家でも隣の家との軒先が近い為、台風で天候が荒れてもそれほど怖いと思ったことは無かった。
今の住処は素晴らしい自然に満ちた環境なのだが、それは自然の厳しさにも直面させられる訳で、自然の恩恵にあずかる面、その裏腹のリスクも大きい。

だからと言って台風に向けて出来る事と言えば、雨戸をしっかり固定するとか、風で飛ばされそうな物を片付けておくと言った、たわいないことくらい。あとは無事の台風通過を願うのみである。我が家の周り360度は全て田畑で、風を遮るものが無い。台風の接近とともにTVの写りが悪くなったり、停電に見舞われたりと、まあそのくらいならなんてことはないのだが・・・。ハッキリ言って今回の台風に関してはビビっている。

海に面した我が町では、海が大時化(おおしけ)になると、海岸一帯が潮で霞んで、この塩分を含んだ空気(飛沫)が雨と強風で一帯に吹き付けられる。この影響こそが塩害である。農作物、庭木など潮に弱い植物は一夜にして葉を枯らしてしまう。先日蒔いた冬野菜の種が芽吹いたばかり、まあ塩害の影響を受けるのは明らかだろう。と、憂慮ばかりしていても仕方がない。

来週月曜日に行うロマンチカのライヴに台風のタイミングがぶつからなかっただけでもラッキー。万全の体制で臨むのみ。写真を見る通り大型なので、広範囲に影響を及ぼすと思われ、みなさんも油断せずこの台風を無事お過ごしください。

2013年10月11日金曜日

リカバリーとストレッチ

田舎生活はとにかく身体を動かす事が多い。まあ暮らし方にもよるだろうが、畑仕事などは重労働。疲労しすぎないよう、一日2〜3時間くらいをメドに身体を動かす。畑仕事は時期々々によって作業が異なるが、基本は腰まわりに負担がくる。草刈り、畝立て、施肥、収穫と農業の基本は腰の力を中心に作業する。腰の曲がった90歳近いおばあちゃんでも、毎日畑へ出て一日中仕事をする姿を見ると、長年やってきている事とはいえ、どこにそれだけの体力があるのか不思議に思ってしまう。

例えば「演奏がキツかった翌日、手に痛みが少し残り身体全体がだるく疲れが残る日は、まるっきり動かず休養するよりも軽めの運動をした方が疲労回復が速い」と信じている。こういうのを積極的休養とかアクティヴリカバリーと呼ぶが、程よく体全体の血流を促して疲労回復を早めるのだ。これは農作業や自転車のトレーニングの疲労回復にも同様に有効で、常に心がけていること。

最近スポーツウェアの一種でコンプレッションウェアと呼ばれるものがあるが、身体を包み込むように加圧して筋肉をサポートするもので、血流がスムーズになることにより、むくみが抑制されて疲労から素早く回復する効果あるとされている。運動中に使うものも有れば、リカバリー用として運動後に着用するものもある。僕はリカバリー用のもので下半身全体を包むタイツ状のものを使っているが、これを作業後やトレーニングの後に着用してみると、明らかに疲労回復に効果があると実感できる。

加えてストレッチなども血流を良くするのに一役かってくれる。歳とともに年々肩から首、股関節など可動域が小さくなりつつある。今や運動前と寝る前のストレッチは欠かせない。ストレッチはべつにハードなトレーニングをしていない人でも、徐々に固くなる関節や筋肉をほぐす意味で心がけるようにしたらいいと思う。

そして最近ハマっているのがストレッチポール。右の写真がそれ。このポールの上に仰向けに寝て、7つ程の基本的な簡単な動作をすることで、肩甲骨や骨盤など普段意識しにくい関節を矯正できる。なんと言っても肩甲骨がどう動いているのかをずっと感じながらストレッチできるのがいい。肩こりがひどい人などとても効果があると思われ、オススメしたい。背中全体の血流も良くなるのか、疲れた身体が自然とリラックスできて、寝付きもいい感じがする。別に宣伝をする訳ではないが、器具を使ってこそこのストレッチが可能だ。

歳とともに疲労回復に時間がかかるようにはなるが、身体のメンテナンス次第でまだまだ自分の可能性を広げることはできると思う。頭と身体はいくつになっても柔らかくキープしたいものである。

2013年10月6日日曜日

美しいフォーム キリエンカ編

またも細か過ぎて分からないシリーズとでもいおうか、コアなチャリンコネタ、且つ長い内容なので、自転車に興味の無い方、スルーお願いします。

集団先頭でチームを引っぱるキリエンカ
こーぢ倶楽部に通い出してからはレースの見方さえ大きく変わって、好きなタイプの選手もフォーム、スピード、レースの展開のさせ方等、それらを支える総合的な資質を見て応援するようになった。前回の同タイトル記事では、フィリップ・ジルベール選手を紹介しながら効率のいいフォーム、ペダリングについて書いたが、今自分の中でヨーロッパのプロのレースシーンに於いて、この効率のいいフォーム、ペダリングがナンバーワンだと思う選手、ヴァシル・キリエンカについてちょっとした考察を。

キリエンカ選手、ベラルーシ出身で昨年までモビスターに所属。今年よりチームスカイに移籍。32歳のベテラン選手と言っていいだろう。タイプとしてパンチャーだが、トラック競技あがりの職人肌。3大ツールでのステージ優勝経験もある実力派トップライダーだ。今年のツールドフランスでは総合優勝したクリス・フルーム選手のアシスト役として活躍。

そのツールドフランスで彼の走りが僕の目を引いた。(写真はTVで流れた映像をそのままデジカメでパチリ)総合優勝を狙うチームスカイはオールスターチームと言っていい程優れた選手が揃っている。フルーム選手を常に集団前方に位置させるため、チームメイトは集団をコントロールすべくハイペースで集団前方を引くのだが、その筆頭がキリエンカ選手。50km/h近いスピードでその先頭を淡々と引く姿を見ると、上体が全くぶれず、ペダルを回す足を見なければまるでデスクワークでもしているかのごとく上体がリラックスしているように見える。しかし運動量、出力はイッパイイッパイなハズ。逆に必死に走っているように見えないので、スポーツ映像としてはオイシクないのでは?とまで思ってしまう。そして体型はすらっとスマートというより、腰回りがガッチリしていてちょっとアジア人的な体型にも見える。そこに親近感を感じたりもして・・・。

さて今年の3大ツールのひとつブエルタエスパーニャ、キリエンカ選手は第18ステージで残り40kmから逃げを決め、単独逃げ切り優勝を果たした。ブエルタではチームに総合優勝を狙う選手がいなかったため、この日は自分でステージ優勝を狙っていたのだろう。

写真を見て欲しい。この日のコースはラスト6kmに激坂が待ち構える頂上ゴール。これはゴール前1kmあたり、画面左下にはこの時の斜度21%の表示が見える。わかる人にはわかると思うが、21%の坂とはとんでもない角度で、普通の人なら自転車で登る事はできないだろう。注目すべきはこの時のキリエンカ選手の姿勢である。静止画ではわかりにくいが、右足大腿を思い切り引き上げながら、足首がリラックスしているので足の甲は正面を向いており、踏み込む左足の力とこの引き足の力のバランスで自転車を垂直に安定させ、この激坂をスイスイ?登ってしまう(顔の表情は苦しそうだが)。背景の下界の景色がこの角度に見えているので、いかに斜度のキツいところ走っているかがわかるだろう。

ヒルクライムを得意とする選手でさえ、この激坂区間はダンシングしてゴリゴリと登っていくので、いかにも斜度がキツいのだなと思えるのだが、キリエンカ選手のあまりにスムースなペダリングと安定した姿勢を見ていると、激坂を登っているように見えないのである。さすがにこの前後では滅多に見せないダンシングを少し交ぜてくるのだが、彼は自転車を殆ど左右に振らずにダンシングする。結局このペースに後続はだれも追いつけずこのままゴールしてしまう。思わず「やったねキリエンカ」とつぶやいてしまった。

そしてこのブエルタエスパーニャ後すぐに開催された世界選手権。その個人TT(タイムトライアル)ステージ、予想通り、トニー・マルティン、ファビアン・カンチェラーラ、ブラッドリー・ウィギンスのTTスペシャリストの三つ巴で、表彰台をこの3人が飾ったのだが、僕が一番嬉しかったのはキリエンカ選手が3位のカンチェラーラ選手から遅れること38秒の差で、4位にはいったことである。あの21%の坂をスイスイ登る感覚の延長線上にTTの走りがあったのだと思う、いやその逆か。

僕がこーぢ倶楽部に通う前なら、こういう渋い選手に目を引かれなかったかもしれない、いや気付くこともなかったかもしれない。目指すはキリエンカ選手のフォームだといえば、「それはトッププロの話でしょ」とかわされそうだが、自転車に乗る基本はプロもアマチュアも同じハズ。目指すイメージをしっかり持つことはとても大事だと思う。

2013年10月1日火曜日

農繁期

今年は夏野菜が長い間収穫でき、今だオクラ、ナス、ミニトマトと少量だが収穫が続いている。
先日アップしたカボチャ畑も収穫後、ツルを引き抜き、跡地の草刈り、耕耘を施し冬野菜の準備にとりかかった。今年カボチャは大量に収穫でき、結局2株の苗から50個以上(あまり多いので数えていない)の収穫となった。親戚、知人に送ってもまだかなりの数が残っている。カボチャは冬いっぱいは保存がきくのでのんびり食べるとするが、売りたい程の量である。

写真はカボチャ畑だった場所で、昨日いくつか畝を作り、大根、人参、菜花の種を蒔き、ソラマメを追加予定。5株ほど見えている苗は芽キャベツ。今日はタイミングよく雨が降ってくれた。大根、菜花は毎年作っているが、種からの栽培は出来不出来にムラがあり、去年大根は豊作、菜花はわずかしか発芽しなかった。これだけは自然に任せるしかない。

一株から広がったキュウリ
また、夏の終わりに植えた晩生のキュウリの苗も順調に育ち(写真)、この時期だが1日2本くらいの収穫がある。今マーケットでキュウリは2本¥150くらいとかなり高価、¥98で買った一株の苗で日々収穫があるので随分得した気分。

さて、ここ千倉町七浦地区は冬期の花栽培で有名。毎年TVの旅番組で特集されることもあって、近年2~3月は花畑を訪れる観光客も随分増えた。花の多くは仏花が中心であるが、真冬でありながら海の色と花の色のコントラストが奇麗で、この地域ならではの景観が広がる。

そして、今こそその花畑の仕込みの時期で、どの畑も花の苗の植え付けで忙しい。米の収穫が終わったと思えばすぐに冬の準備、まさに農繁期である。花畑を作る農家も高齢化が進んで、この先いつまで奇麗な花畑の景観が続くのか、と思わせられるが、おばあちゃん独りでも広い畑をみるみる奇麗に整え、その良く働く姿にとにかく頭が下がる。半農半漁の家庭も多く、家族総出で漁に畑にと、とにかく身体を動かしてみなよく働くと感心させられるが、いざ自分で畑仕事をすれば2~3時間でバテてしまう。みなの仕事がいかに重労働であるか、毎度この農繁期に身をもって知るのであった。

2013年9月28日土曜日

ハープの魅力、魔力?

ここ一週間、録音の仕事で都内に行ったり来たり。久しぶりに徹夜仕事もあって、時差ボケ状態。昼夜逆転は歳のせいもあってか身体にダメージが。演奏中は内容に集中するので気にならないが、朝帰りは翌、翌々日と疲れが残ってしまう。身体を鍛えているといっても寝不足、不規則な生活にはかなわない。ちょっと情けない。

さてそんな中、昨日は菊池成孔氏率いるペペ・トルメント・アスカラールのニューアルバムのレコーディング。今回の編成はパーカッション2人、ピアノ、ベース、バンドネオンにハープ。菊池くんはこの日唄とラップ。なんとも珍しい編成だが、当たり前にサウンドしてしまうから不思議だ。

写真の楽器はご存知ハープである。奏者は堀米綾さん、プロフィールはググってね。正にハーピストらしい素敵な女性である。僕はこのバンドに関わるまでハープと一緒にライヴをやったり、録音をしたりという経験は無かった。出来上がった音にハープがダビングされているという事はあったけれど。生演奏を聴くのもクラシックのオーケストラにハープが加わったものを聴いたくらい。

この楽器、単体で聴けばいわゆる竪琴の柔らかいゴージャスな音がするが、他の楽器と交じると独特な存在感となる。ギターやピアノの様に直接耳にこないというか、全体を包み込むように鳴って、決して前へでしゃばらない音なのに、要所々々でキラリと輝く響きが際立つのだ。そしてこの楽器があるか無いかで、バンドのサウンドはガラリと変わってしまう。しかし聞き慣れない人だと、CDを聴いているだけではハープのパートを聴き分けるのが難しいかな。菊池くんのアレンジではこの楽器の魅力を各所にちりばめ、もはやペペには欠かせないパートとなっている。

今回も奇々怪々のポリリズムと意表をつく音の組み合わせ、ハーモニーはいつもの通り、果たして新作の内容はいかなるものに・・・。

2013年9月20日金曜日

Romantica Live!!

Photo by 早川純
あと一ヶ月程先になりますが、中目黒「楽屋」にてRomanticaのライヴをやります。

今回も前回同様、トリオにバンドネオンを加えた4人編成で、詳細は下記の通り。

    10月21日(月曜日)
    @中目黒「楽屋」Tel:03-3714-2607
    OPEN / 18:00  
    START / 19:30~ & 21:00~
    Charge : ¥3,000
    メンバー    田中倫明(Perc)
                     梶原順 (G)
                     橋本歩(Cello)
                     早川純(Bandoneon)


バンドネオンの早川くんは向学心豊かな若者で、11月から来年7月までフランスへ留学します。もちろんバンドネオンの腕を磨くため。しばらくこのメンバーで演奏できなくなりますが、彼の成長を見守りながらまた帰国した際には一緒に演奏したいと思っています。

Romantica自体は今後もライヴ活動をして行きたいと思っています。トリオなり、別の編成で出来ればツアーなども企てたいと・・・。今後の動向もチェックしてください。

2013年9月16日月曜日

Y.ASANO 7th Years Memorial Live

久しぶりの3日連続ライヴで今朝は手が腫れぼったい。ただ普段のライヴやツアーが終わった感覚とは全く違った余韻が自分を包んでいる。

2007年、ギタリスト浅野祥之氏が亡くなり七回忌にあたる今年、この節目に彼の為に何かしようと立ち上がった企画。角松敏生氏を中心に、彼にゆかりのあるミュージシャンが集まって在りし日の浅野さんを偲ぶライヴを行った。

亡くなった時は、あまりの急な出来事に驚いている中、あっという間に葬儀も終わってポカンとしてしまい、しばらく彼の存在がなくなった事を実感できずにいた。お通夜もみんなでゆっくり飲み明かした覚えもなく、四十九日の頃だったか、家を尋ねて今一度お線香をあげに行ったものの、それ以来彼を知るミュージシャン同士、会えば彼を懐かしむ話をするくらい、ただ時間だけが過ぎて行ってしまった気がする。

今回のライヴは彼の残した音楽をみんなで振り返りながら、デジタル技術を活かして、生前録音された彼の演奏や唄のトラックに合わせて、ライヴ演奏をするというもの。ライヴには旧知のミュージシャンがゲストとして訪れたり、ライヴ、ツアーに関わったスタッフも多く駆けつけ、しばらく顔を合わせなかった面々が集まり彼の音楽を懐かしみながら、ライヴ終了後は毎夜みんなで酒を酌み交わし、その想い出話は夜更けまで続いた。

今回、改めて浅野さんの音楽に触れる事で、当時気付かなかった彼の広い音楽性、音に対するこだわりなど今になって新たに感じることも多く、特に彼が90年代前半に主催したバンド「空と海と風と」での彼の楽曲は、僕のイメージする浅野さんの姿そのものという印象で、当時ライヴも何度か観ているものの、楽曲だけを取り出して演奏してみると、その素晴らしさを再認識させられた。

アンコールでは中学二年生の倅さんの友也くんがギターで参加、その堂々たる弾きっぷりにメンバーもビックリ。まさに浅野さんが生まれ変わったような姿を、暖かく見守りながら一緒に演奏できたのは貴重な時間であった。そしてメンバーそれぞれ浅野さんに対する想いも熱く、いろんな場面で皆涙をこらえながら演奏していたという事もお伝えしたい。

僕にしてみるとこういうライヴの内容は初めてで、こういった機会にミュージシャン、スタッフ、そしてお客さんが多く集まったのも、浅野さんの人柄、人間性の現れだと感じさせられ、七回忌という節目にふさわしい素晴らしい内容だったと思う。

追記:今回のライヴにあわせて用意した「イーハトーヴ浪漫」を多くの方々に買っていただいた。普段はお店が販売手数料をとるのだが、今回はこの主旨を汲んでいただき手数料は無し。売り上げは浅野さんの七回忌の法要の御仏前として、そしてみなさんの気持ちもお届けしたいと思い、ご家族に進呈させていただいた。

2013年9月12日木曜日

美しいフォーム

この記事はコアなチャリンコネタで、且つ長〜い内容なので、自転車に興味の無い方パスしてください。

僕にとって競技用自転車のフォームやペダリングはある意味永遠のテーマ。プロでも全ての選手が同じフォーム、ペダリングスキルで走っている訳ではない。正解は個人々々違うものかもしれない。僕は50歳を超えて、楽器を演奏する際の理想的な姿勢というものをよく考えるようになった。加齢とともに音の出し方も変わるとはいえ、エレクトリックな編成ではそれなりのヴォリュームを要求される。そこで効率よくパワー(音量)を出しながら疲れにくく、かつ自由なパフォーマンスをするにはどうしたらいいのか?

前述したこーぢ倶楽部にてロードレーサーの乗り方を学びながら、身体の使い方に大きなヒントを得ることが出来た。自転車の乗り方と楽器の演奏方法(打楽器の叩き方)は一見全く違う運動だが、いずれも近年よく取り沙汰される「体幹筋の使い方」が要だと気がついた。そこを中心に身体の使い方を意識すると、自ずと効率良い奇麗なフォームが浮かび上がってくる。おかげで最近は随分と楽に演奏できるようになってきた。

さて現在、3大ツールのひとつブエルタ・エスパーニャが開催中である。この写真は第12ステージで優勝したフィリップ・ジルベール選手。世界チャンピオンの証、アルカンシェルを纏った彼は31歳、自転車選手としてはベテランで脂ものっている時期である。このステージ、ゴール前がわずかながら上り坂ということで優勝のチャンスを狙ってゴール手前11kmを行く姿。ゴールまでの位置取りを争いながら時速50kmを超すスピードで走っているところ。彼はいわゆるパンチャーと呼ばれるタイプの選手だが、平坦なスプリントよりも短い上り坂でのスプリントで爆発的な力を発揮する。この日もゴール前の短い上り坂を活かして、先攻する選手をぶち抜き優勝した。

TV放映の為、バイクの後部座席にカメラマンが乗って選手を追走しながら撮影する。この日の優勝候補として真横から抜かれた映像となったが、この映像がなんとも興味深い。僕はひたすら美しいフォームだと思うのだが。

こーぢ倶楽部のレクチャーで、康司さん現役時代のフランスでのレースの映像を見ながら理想的なフォームの解説をしてくれる。そのレース内容は、ジルベール選手が集団からアタック、そのアタックを追って康司さんとコフィディスの選手二人が集団から飛び出す。映像はゴール手前10km程前だっただろうか?先行するジルベール選手とそれを追走する康司さんの画像が何度も交互に映し出される。

現役時代、ガチャ踏みだった?康司さんは、ジルベール選手がいかに効率のいいフォーム、ペダリングをしているかを訴える。なんと康司さんと一緒に前を追うコフィディスの選手もガチャ踏みで、ジルベール選手はスピードにのったまま上体が動かないのに対して、二人はペダルを踏み込む度に上体が左右に揺れる。その様子の差は素人が見てもわかる。プロのレース、早く走れるならフォーム、ペダリングともどんなスタイルでも構わないとも思うが、効率のいいフォーム、ペダリングによるパフォーマンスは長時間強いパワーを出す際にじわりじわりと差がでる様に見える。結局2人はジルベールに追いつく事無く、集団から1人上がって来た選手と3人で2位争い。康司さんは4位でフィニッシュした。(これでももの凄いことだけれど)

現代の競技用自転車は、ペダルとシューズをスキーと同様ビンディングシステムで固定するのが常識。そこにプロとアマチュアの違いは無い。このビンディングペダルの特徴は、ママチャリと違って足とペダルが固定されているおかげで、踏み込むだけでなくペダルを引き上げることが出来る。よって踏み込む足と反対側の足を引き上げることで股関節まわりの多くの筋肉を大きく使うことによって、より強い力をペダルに伝えることができるという訳。

今一度ジルベール選手の写真を見て欲しい。左足、足首の力が抜けて大腿でペダルを引き上げる様子がハッキリと分かる。証拠に足のつま先が真下を向きかかとが持ち上がって、大腿からペダルを引き上げている。この力の加え方をすると自転車は自ずと直立しようとして、自転車自体が真っすぐ安定して進み、身体も真っすぐブレず体幹が安定して股関節周りの筋肉の動きをダイレクトにペダルに伝えられるのである。踏み込むだけのペダリングをしていると右、左と踏み込む側に体重が乗ってしまい、自転車も左右にブレてしまう、これがガチャ踏み。これは3本ローラーに乗ってパワーをかけてペダリングしてみると、誰にでもすぐに分かる。

そしてもうひとつ注目すべきは、身体の大きさとフレームの大きさの比率である。ジルベール選手は身長179cm、ヨーロッパ人としては標準的かと思われる体格だが、フレームサイズは身体の大きさに対して日本の常識?からするとちょっと小さめに感じないだろうか。フレームのサイズは定かではないが、ヨーロッパのレースを良く観察すると、フォームに応じたフレームサイズは意外と小さい。そしてサドルとハンドルの落差が大きいのはヨーロッパ人の手足が長いからだと説明されるが、果たして本当にそうなのか?効率よくペダリングする為の姿勢というのは自ずと決まってくるもので、この前傾姿勢にも根拠がある。それは全て体幹筋の強さが要になるが、自分でも鍛え方次第でこういうフォームをとれるハズなのだ。

この写真では、ゴールまで距離も少なくスピードもかなりのっていると思われ、サドル前方に腰が位置しているが、多分この時点では、ハンドルを握る手にも力は入っておらず腕はリラックス、力は体幹筋を中心に、ペダルを回すために踏む力と引く力のバランスが効率よく伝わっていると思う。ここからゴールスプリントで一段と加速する時には肩から腕にも力が加わって、よりパワフルな走りとなると考察する。しかしジルベール選手はゴール前のスプリントでもあまり自転車を大きく振らず、姿勢が崩れない。

奇麗なフォームに見えなくても速い人は速い。個人差はあるものの、結局2輪という不安定な乗り物の上でいかに強いパワーをスピードに変えるかは「体幹筋」が要だと見えてきたが、それを鍛えるには努力も伴うし、理想のかたちをイメージすることも大事だろう。しかし美しいフォームには理由だけでなく、結果も伴うので、やはり諦めずに目指したいものである。楽器の演奏にしろ、自転車の乗り方にしろ。