2016年6月6日月曜日

「武満徹・音楽創造への旅」を読んで

なんと、2ヶ月掛けてじっくり読破。僕は武満徹という人について何も知らなかったということがよくわかった。

この人の音楽との出会いは、大好きな映画監督、勅使河原宏作「砂の女」の音楽である。そして後に同監督の他の作品や小林正樹監督の作品などでもその独特な音に触れてきた。音楽による緊張感の演出、画像の美しさに共鳴する美しい不協和音がなんとも印象的である。

ところが、映画音楽は武満徹氏にとってある時期、そして一部のキャリアでしかない。皆が知るとおり現代音楽の作曲家として、亡くなる寸前まで創作活動に励んでいた。しかしこの本を読んで、彼の人生全体を見渡すとそれは壮絶な生き様であったことがわかる。その詳細をここに記す気はなないが、氏の音楽の好き嫌いにかかわらず、もしあなたが音楽を通して少しでも自分を表現しようという意思があるならば、これは必読の著である。そしてこの本の出版にこぎつけた立花隆氏に尊敬と感謝の念を抱くばかりである。

2 件のコメント:

  1. 同感です。出版に「こぎつけた」という表現がぴったりの立花隆氏に感謝感謝です。

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    1. 僕は文學界に連載されたこのインタビューを読んだ事がなかったので、この本のおかげで武満徹という人、そしてその時代背景や、いろんな人との関わりを知ることができて、つい立花氏に感謝したいと思うのです。武満徹の生き方に勇気と元気をもらった気がします。

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