2017年1月31日火曜日

自然の恵み

昨日午前中、近所の人がやって来て「田中さ~ん、手が空いていたら手伝ってくらっしぇ~!」(房州弁)と。この方、前回猪肉を持ってきてくれた人だったので、すぐにピーンときた。なにやら人手が足りないらしい。

我が家の裏手の山の麓に仕掛けられた罠にイノシシがかかっているという。現場へ行くと既に絶命したイノシシが横たわっていて、お腹に番号が書かれている。 この状態を写真に撮って、尻尾を切り取って市役所へ持って行くと、助成金がもらえるそうだ。およそ60kgくらいの雌猪、早速血抜きをするのに、罠のある 場所から広い場所へ運んで、木に滑車とロープを使って足から吊るすと、猟師さんが両耳の後ろからナイフを入れて血を抜く。どれだけ重労働かと思いきや、こ こまで数人であっさりと作業。血抜きには2時間程かけるというので一旦休憩。

さて、午後から解体。作業は全てイノシシを吊るした状態で行う。まずその吊るされた足首から皮を剥いでいく。ナイフを持たされ見よう見まねで首まで皮を剥がし丸裸に。これだけで小一時間かかる。次に肉を剥ぎ取っていくのだが、この作業は手慣れた人に任せてその手順を勉強する。背中から徐々に肉を切り剥いでいき、手足を外すと終了。内蔵には一切触れないので臭みも全く無く、血抜きをしてあるので肉を切っても血は出ない。どれだけグロテスクな作業なのかとハラハラして挑んだものの、肉は奇麗に取り分けられ、むしろ神聖な作業と感じた。

この数年、まわりの畑がイノシシに荒らされ続けている。しかしそれは野生のイノシシにとっては生きるための手段。自然からの恵みとしてイノシシの肉をいただくのは有り難く、ジビエ料理が流行ったりしているのも、こうした人間とのやりとりで自ずとバランスをとっているのかもしれない。

0 件のコメント:

コメントを投稿