2018年4月7日土曜日

「セロニアス・モンク 独創のジャズ物語」

少し時間がかかったがやっと読破! 「セロニアス・モンク 独創のジャズ物語」2007年、ロビン・ケリー著。昨年出版された日本語版。約650頁におよぶノンフィクションストーリー。読み応えがあった。

自分が聴いてきたモンクの楽曲、演奏はどこをとっても独創的で、まさにオンリーワンのジャズジャイアントというイメージだが、その行き方、人間性に関しては全く知らなかったのだ。

驚いたのは40年代、ビバップの創成の一役を担ったモンクだが、ディジー・ガレスピーとチャーリー・パーカーが注目を浴び有名になる一方、モンクは50年代末まで全く評価されず、仕事も無くひたすら貧乏な暮らしをしていたということ。40歳になる少し前に一気に評価が高まりブレイクするのだが、その後どれだけ忙しくなってもモンクの音楽のスタイルは一貫しており、時代がモンクに追いつき、追い越していくという風に見えてくる。時代がモンクを追い越す様に見えるのは、マイルスがエレクトリックサウンドを取り入れたりして時代の最先端を行くのに対して、モンクは変化しなかったからだが、実際病気も患って50歳代後半にはピアノを弾くのを辞めてしまう。

しかしどんな時も多くのミュージシャンに尊敬され、音楽の仲間、家族に支えられ、モンクの暖かい人間性を伺い知ることが出来る。また、ジャズのレジェンド達が続々と登場してきて、モンクとの関係がどうあったのかという部分も興味深い。ジャズの歴史だけでなく、40〜70年代に於ける当時のアメリカ社会の時代背景、そしてN.Y,でのミュージシャンの生活、仕事の様子など、ありありと目に浮かぶ様に描かれている。モンクファン、ジャズファンなら是非一読することをオススメする!!

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