2022年5月13日金曜日

復活したマイク

この時期は農繁期で畑仕事が忙しいけれど、今日はずっと雨降り。 

こんな日にこそ集中できる事をやろうと、朝からマイクのテスト中?写真のマイクはColes 4038というリボンマイク。BBC設計、1953年誕生の歴史的名器と言われるマイクで、ビートルズの録音にも使われているモノ。 

15年近く前、自宅で録音を始めるにあたってこのマイクの評判を聞いてネットオークションで落札、しかもペアで。しかしいざ使ってみると高音域が伸びずヌケの良くない印象で、結局作品の録音では使う事なく長年ドライボックスで眠り続けていたのだ。 

さて、昨年の葉加瀬ツアー中、ドラマー、屋敷豪太氏とヒョンな事からこのマイクの話題になり、彼もこのマイクをペアで持っているという。話を聞くとその音は自分の思っている音とまるっきり違う印象で、何故だろうと聞くと、豪太氏曰く「多分リボンが伸びているんじゃないかな」と。以来、どうも調子の悪いこのマイクを僕が持っている事を気にかけてくれた様で、先日ついにこのマイクのメンテナンスのできるエンジニアの方を見つけたと連絡をくれて、早速そのエンジニアさんの工房へ出向いて修理、そして新品の状態に戻ったという訳。しかもなんとその方、世界に5人しかいないというColes社公認エンジニアのひとりだったという…。人の繋がりがなんとも有難い。 

そしてついに本日、ドキドキしながらいくつかの楽器を録音してみたという訳。本来このマイク、低音域から高音域までフラットな特性で、あらゆる楽器に向くとされるが、まず打楽器各種、スティール弦のアコースティックギターを録音してみる。打楽器は生音に忠実に録音される印象、アコギもレンジが広い素晴らしい音で録れた。生々しく、それでいて優しい音の印象。ただこのマイク、音圧には強いけれど風圧に弱いという特徴があり、修理の際に構造を理解できた分、扱いに注意が必要だけれど、今後の録音で活躍してくれそうでなんとも楽しみ。

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