2013年11月21日木曜日

TAKANAKA

先週末の"Papa Boogaloo"の二連チャンのライヴの興奮も覚めやらぬまま、週初めから明日22日に迎える
"TAKANAKA 60th Groove" のライヴのリハーサルで忙しい。バンドのツアーは既に終わっており、今回はスペシャルライヴということで、ツインパーカッションとしてアディショナルメンバーに抜擢されたという訳。

かれこれ30年以上前の事になるが、それは僕の高校時代、サディスティックミカバンドからソロアーティストになった高中正義氏の1stアルバム「セイシェルズ」、2ndアルバム「TAKANAKA」を聞いてそのサウンドに魅せられ、コンサートを見に行っては高校のバンド仲間とコピーをしてライヴまで演っていた。

そしてプロとして仕事を始めて間もない頃、当時の高中バンドのメンバーであった小林ミミちゃんのバンドに参加していたこともあって高中さんとは面識はあったものの、今まで仕事として一緒に演奏したことは無かった。今回は先輩の斎藤ノヴさんに声をかけてもらい、蒼々たるメンバーと共に一緒に演奏させていただくことに。
ノヴさんとも随分長い付き合いになるが、ツインパーカッションとしてベタで1ステージ一緒に演奏するのはシングライクトーキングのツアー以来で10年以上ぶりとなる。

リハーサルをやってみて受けた高中さんの印象は「ロックミュージシャンだぁ」の一言に尽きる。どうも70年代のトロピカルなサウンドからフュージョンギタリストっぽい印象を受けがちだが、なんのなんの、リハーサルのやり方からしてシンプル。インプロヴィゼーションではなく、決まったリフを固めていく感じで、ギターの音色までもレコードやCDで聞いた通りの音が目の前で大音量で飛び出す。初期の作品はよく聞き込んだので「ああこの音、この音!」といちいち感激もするが、そこで一緒に演奏するのにただ必死になっている自分に気付く。

リハーサル中に疑問な点があれば即(リハーサル中演奏は全て録音されているのだが)、録音したその演奏をプレイバックして修正していく。これはレコーディングの作業と変わらないのだが、常に作品になる演奏の質を求められるので、緊張感もあれば良い意味で気合いも入る。というかもの凄く集中する。なので決してリハーサル時間は長くない。曲に慣れるまではちょっと気後れしたが、馴染むに従って演奏がどんどん楽しくなってくる。

プロなら当たり前の事かと思うかもしれないが、ライヴとレコーディングは別物と考えるミュージシャンも多い中で、この潔い音作りはメンバー個人々々の力量、責任感に委ねられる部分が大きく、ここをこうして欲しいとか細かいリクエストは全く無く、カッコ悪かったら二度とのライヴには誘われないだろうという事である。こちらも腹をくくって挑むのみ。できるだけの自分のパフォーマンスをぶつけるだけである。

僕がミュージシャンとしてプロになろうと思った時期は、その入り口は「ロック」しか無かったと言っても過言ではない(ジャズやクラシックを志した訳ではないので)。そしてそのプロのロックミュージシャン達は皆、ものすごく怖かった印象がある。当時、果たして自分がこういう人達の中でミュージシャンとしてやっていけるものかと、不安になったくらいである。ただ、「いい音」さえ出し続ければ何処かで誰かが認めてくれるものだと未だに信じている自分がいる。巷に増えた音楽学校では教えてくれない「現場の空気」というものがある。明日のライヴは、そんなバンドマンの基本の心構えを思い出させてくれる「現場」である。

まだ当日券が少しあるようなので、TAKANAKAサウンドに触れたい方は是非見に来て欲しい。場所は中野サンプラザ!

10 件のコメント:

  1. 宮崎全弘さんや青柳誠さんと演奏するのも久しぶりですよね。岡沢章さんとの初顔合わせ(おそらく)も聴きたいなあ。

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  2. いやぁ、夕べのライヴは本当に楽しかったぁ。久しぶりに一緒に演奏する人、初顔合わせの人、それも嬉しかったですが、なんと言っても僕がミュージシャンを志す上でのルーツ的存在である高中さんと一緒に演奏できたのは、自分の音楽キャリアの中でも特に印象的な体験となりました。とにかく演奏中ずっと楽しくて、ついつい顔がホコロンでしまう程。最初で最後のセッションになるかもしれないけど、こんなに演奏が楽しかったのはいつぶりだろう?まるで自分がアマチュア時代に音楽をただ楽しんでいたあの頃に戻してくれたような素敵な時間でした。

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  3. はじめまして。高中ファンです。今回のライブいきましたが、ツインパーカッションは最高でした。
    本当にそう思いました。田中さんが今後の高中ツアーのメンバーになってほしいと思っています。

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    1. コメントありがとうございます。ノヴさんとはスタイルも違うので、音楽的キャラがかぶらずお互いの音を楽しみながら演奏できるのが楽しいです。高中さんとまた一緒に演奏する機会があれば、もちろん弾けますよ〜!

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  4. いやぁ、30年以上前の楽しかった時を再び味わう事ができ感謝しています!
    ボクも一緒にステージで演奏しているような錯覚にまで陥り、アッここでミストーン出しちゃヤバイ!とか思ってしまったり、、、
    みっちゃんも終始楽しそうに演奏されてましたよね。
    オヤジになってしまったけどみんなバリバリがんばってんなぁって思い知らされました。
    又素晴らしい時間を与えて頂きありがとうございました。

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    1. そうね30年以上経ってしまったけど、今じゃなきゃ出来ない演奏ということもあるし、今だからこそ十分楽しめたのかな?と。まだまだ充実した音に向かって頑張らんとね。

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  5. 遅ればせながら素敵なライブをありがとうございました!聴くうちに高中サウンドにどっぷり浸かっていた時代のあれこれが蘇り、不覚にもウルウルっと。しかもミチャキーノのサポートで!贅沢過ぎる!
    高中はギタリストとしての魅力はもちろんだけど、何よりメロディーメーカーだと思っています。気持ちよいフレーズを生み出す才能はピカイチかな、と今さらながら感じます。青春時代にこの人の音楽に出逢えた事にも感謝だけど、なお生涯現役な感じもGood!! 継続って実はとても大変な事かなと。またミチャキーノ参加Ver.で聴きたいよ‼︎ 取り急ぎお礼まで。ではでは!

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    1. ありがとうございます。旋律を大事にするってのがキーですかね。長く生き残る音楽はこれが全てかと。また一緒にライヴできる機会に恵まれますように・・・。まあ何事も一期一会ってことで、続けていればそんな機会もあるかと。

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  6. 先日の高中正義師匠LIVE、素晴らしかったです。田中さんのパーカッションは、松岡直也さんはじめ、ゲタ夫さん…、角松敏生さん達のステージで昔から拝見させていただいてました。高中さんのサポートされる田中倫明さんのラテンリズム、やっぱり最高でした。感動のライブをありがとうございました。

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    1. コメントありがとうございます。同世代の音楽好きな方々に今回のライヴを見ていただけていると思うだけで感激です。この歳になってもまだまだ成長していると実感しています、もっとエキサイティングな演奏を聴いていただけるよう、精進精進。またどこかで演奏お届けできれば・・・。

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