2018年9月21日金曜日

銀河鉄道の父

昨日、今日、ここ南房総は雨模様で肌寒いくらい。畑仕事も出来ないので、この夏買い置きしておいた「銀河鉄道の父」を昨日から読み出した。

僕も賢治さんの小説を題材に「イーハトーブ浪漫」というCDを作っていることもあって、先ずこのタイトルに惹きつけられた。僕らは賢治さんの作品を通して彼の描く世界観を心の中に展開させるばかりで、彼の現実的な生活はある程度のエピソードしか知らない。本書は家族、特に父、政次郎氏の心理描写を中心に賢治さんの生涯を追う小説だが、史実に基づいて書かれており、ノンフィクションに近い印象である。

生涯、しっかりとした生業には着かず、かといって作家として書き綴った作品が生前売れる事の無かった賢治さんの現実的な人生は、作品の世界との隔たりが大きいと感じた。没する間際まで創作を続ける事ができたのも、父親の愛情があってこそだったと…。400頁に及ぶ本書だが、字数が多いわけでなく一気にに読めてしまう。

奇しくも、今日が賢治さんの命日だったと、今朝知った次第。

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